こいのちから





「今でも覚えてるよ、その時のこと」



そこまで言って、先生は俯いた




「でも、高橋に言うべきなのか分からないんだ…。いや、きっと言っちゃダメなんだと思う。」




今きっと先生は辛い顔してる

俯いていても、それはちゃんと分かった。

だって先生はいい人だから、
どんなことでも真剣に悩んでくれる。

あたしら生徒はそんな先生の
まっすぐで、頼りがいのあって、
たまに抜けてたり涙もろいとこが
大好きだから。



でも









「先生っ…あたし、先生に辛い思いさせたり悩ませたりしたくないです…」






なんだろ、目の前が滲んでいく…








「でも今は、先生辛いの分かってても、その言葉がっ…知りたいの…。」








気づけばあたしの頬は濡れていた

どうして涙が出るのか
分からないんだけど
涙を止めることができなかった