「あぁん?何がだよ。」


年下のオンナにこんな目されて、冷静でいられる男はいない。


ちょっとイラつきながら返事をすると




「どこをどうやったら、そんなややこしいコトになるんですかー!!!!」




クッキー妹は頭を抱えながら絶叫する。






「はあ?ややこしくねぇだろうが。
梅ちゃんを見つめるちょこの図はかなりわかりやすかったぞ??」





そうだ、そうだ!!

あのちょこの熱っぽい視線に気づいてからは、な~んか気持ちが重くてさ?
梅ちゃんを見る度に妙~にイライラして。
ちょこの笑顔を見て切なくなって。




俺は16にして娘を男に取られたお父さんの気分を味合わされたんだからなっ!!??



うん。
俺は悪くねぇ。





腕組みをしながらウンウンと深く深く頷くと



「だーかーらっ!!!!!」




頭をキィ~ッとかきむしりながら、クッキー妹は俺をギッと睨み付ける。






「だからそれが勘違いなんですってば!!!!
ちょこセンパイは佐加美センパイを見てたんじゃない!!
佐藤センパイ!!あなたを見てたんですよっ!!!!!!」





―――えぇっ??!!






そう言われた途端。
体育館中の空気がピタッと張りついた。