「逸都……」

「俺とお前は…幼なじみだ。
それ以上でもそれ以下でもねぇ。」




それが…答え。
ちょこに“あの二文字”を伝えられても俺はアイツの気持ちに答えることはできねぇ。



傷つけてしまうのなら。
アイツの気持ちに答えてやれないのなら、あの言葉は聞かなかったコトにするのが一番だ。





そう思って。
アイツの部屋から出ようと窓にグッと足をかけると





「告白すら…させてくれないの…??」






今にも世界が終わりそうな顔をして、ちょこが呟く。





「私に…気持ちを伝えさせてもくれないの?」






そう呟くアイツの顔は涙でグチャグチャになっていて。
こんな…絶望に押し潰されそうになっているちょこの表情を見たのは初めてで。



さすがに俺も、良心がズキリと痛む。







だけど…
ダメなんだ。

お前は俺の大事な幼なじみだから。
誰よりも大切な幼なじみだから。




この関係を崩すわけにはいかない。
あの言葉を言わせるわけには…絶対にいかない。