その予感は…
部活終わりの体育館で見事に的中してしまうのである。




部活が終わった後。
体育館でスコアの整理と簡単なボール磨きをしていると



「アレッ。千代子ちゃんまだいたの。」


「あっ…、佐加美センパイ…!!」



今、噂の時の人。
梅星 佐加美(サガミ)センパイが着替えを終えて体育館の中に戻ってきてしまった。




「偉いね。こんな時間まで頑張るなんて。」

「そんなことないです。
ただ要領が悪いだけですよ。」





ボールを磨きながらフフッと笑うと、佐加美センパイは

「俺も手伝うよ」

と、私の隣にストンと腰をおろしてカゴの中から雑巾とボールを取り出した。







「そんな…!!
センパイは疲れてるんだから大丈夫ですよ!!後は私がやりますから…。」



選手であるセンパイにそんな雑用させるワケにはいかない。



焦ってボールを取り返そうとすると


「一人より二人の方が効率いいよ。俺がやりたくてやってるコトだから…千代子ちゃんは何にも気にしなくていいよ。」



そう言って。
佐加美センパイは柔らかに微笑む。