逸都…


彼の見せる苦しそうな表情を見て。
胸の奥がズクンと痛む。



逸都…



私の気持ちを知ってたのに知らないフリをしてくれて…、本当にありがとう。



つらかったよね
イヤだったよね



私…ちゃんと言うよ
素直になるよ
ちゃんと…言うから

そしたら逸都は私の気持ちを受け止めてくれる…??






勇気をふりしぼって

「あのね…っ。気づいてると思うけど…!!」

手のひらをグッと握って彼への気持ちを伝えようとすると


「いいから。
全部わかってるから…ちょこは言うな。」


気まずそうに苦笑いをして、逸都は私の言葉をそうっと阻む。



そしてハァとため息を吐くと


「始めはカンちがいなのかなと思った。だけど…お前の目を見る度に“あ…違う”って確信したよ。」


そう言って彼は私の肩に手をポンと置く。
そして…決心を固めた声で、覚悟を決めた口調で彼はこう言い放った。










「お前……、梅(ウメ)ちゃんのコトが好きだったんだな……っ!!!!!」