ホントはこの威圧感から抜け出したい。
だけどチケットを貰った理由も用途も絶対に話すワケにはいかない。



ガマン…
ガマンだ、千代子!!
ここはぐっとガマンするのよ…!!!!!



右手の手のひらをギュッと握って決意を新たに





「逸都には絶対言わない!!」


とタンカを切ると


「あ゛ぁん!?
この俺様に、何ほざいてんだよ、このバカキノコが!!!」





パコーン!!!!!






近くにあった雑誌を丸め、目にも止まらぬ早業で。
逸都は思いっきり私の頭をバコッと殴った。






ひ、ひどい!!







あまりの痛みに涙目になりながら、キッと俺様逸都を睨み付けると



「あのな。殴られて泣くくらいなら最初っから理由を話せばよかったんじゃねーの?」



逸都は腕組みをして仁王立ちするとズーンと物凄い視線で私を見下す。






そうして鬼の形相で私の頭をもう一発バコンと叩いた後。






「どーーせ、チョコのことだからさ。コレ使って好きなヤローを誘ってやろう~♪とか何とか思ってたんだろ?」



―――えっ……??


予想外の言葉を私に言い放って
子どもみたいな笑顔を見せて、逸都は私の目線にあわせてヨイショとしゃがみこむ。