「…ったく…。
ハヤトの周りにはチョコにクッキーに……アホみたいに甘い名前のヤツが集まるわね。」



紙パックの抹茶オレを飲みながら心愛は呆れたように呟く。




「あのね。それを言うなら心愛(ココア)の名前も十分甘いから。」


「げぇ。ホントだ…。」



心愛はあからさまにいやそうな顔をするとハァ~と盛大にため息を吐いた。






心愛曰く、
顔はよくても精神的にガキな男は付き合うだけ時間がムダなんだそうで…。


“ハヤトなんてガキの典型じゃない。全くもってお呼びじゃないわ!!”


が、心愛のくちぐせ。






どうやら…
心愛にとって逸都は、タイプから激しくズレてる残念な男なんだそうな。








教室の窓際で男の子達と楽しそうに戯れてる、逸都。

ああいう無邪気な表情を見ると、なんだか少しホッとする。



バスケットボールを持った逸都は野獣みたいにギラギラした目をしてて。
練習中はギリギリまで自分を追い込んじゃうから少し怖いんだ。




あぁやって笑ってる逸都を見ると“あぁ、逸都もちゃんと高校生なんだな”と思えてホッとする。