何年かぶりに抱きしめたちょこの体は甘くて優しい香りがした。


鼻先をくすぐる甘いシャンプーの香りが、だいぶ遅れてやってきた俺の独占欲を刺激する。



誰にも渡したくない…
コイツを誰にも触れさせたくないと心の底からそう思う。





「ハ…ヤト…??」





俺の腕の中で小刻みに震えるちょこの体。
微かに震えるちょこの声。



その全部を俺のモンにしたい。





卑怯なのも
今さらなのも百も承知だ。
こんなに好きだったなら、ちょこが気持ちを打ち明けてくれたあの時に、ちゃんとOKしてやればよかったんだ。




1週間以上も逃げ続けて。
自分の気持ちからも、ちょこの気持ちからも逃げ続けた俺がこんなことするなんて…おかしいよな。