私、橘 千代子は
目の前にいるこの男

佐藤逸都(サトウ ハヤト)に不毛な片想いをずっと続けているのだ。



バスケに一生懸命な逸都
俺様な逸都
男気があって優しい逸都




そんな逸都が私は大好き。
だけど…この気持ちを伝えるコトはきっと永遠にないと思う。





だって…
逸都の一番はバスケだから…さ?
他のモノが入る隙間なんてどこにもないんだもん。




逸都の頭の中はバスケでいっぱい。アイツの辞書に“恋愛”という言葉は存在しない。


告白なんかしても玉砕するのは目に見えてる。だから怖くて…そんな博打みたいなコトできそうにない。





それに…ね?
私は逸都の夢を応援したいから、逸都の邪魔になるようなことはしたくないんだ。

告白なんかして、逸都とギクシャクするくらいなら…この気持ちは伝えない方がきっといい。



逸都に一番近い場所で彼が夢を叶える瞬間が見れるなら…、この気持ちはいくらだって封印できる。