困ったように笑う夜神に、土方は不信感が芽生え、眉間に皺を寄せる。
「答えろ。お前は一体どんな奴だったんだ。」
「いえ、ですから、彼女が言った通りの奴ですよ。」
「俺は詳しく教えろと言っているんだ。分っているくせに分らないような発言をするな。」
土方の言葉に、夜神はまた困ったように笑った。
そんなに聞かれるのが嫌なのかと思ってしまうほど、夜神は困った顔をしている。
それでも、土方は問い詰めた。
「教えろ。」
「どうしてもですか?」
「ああ。」
「それが例え、最低な内容だったとしても?」
「ああ。」
夜神はやっと勘弁したように肩をすくめると話し出した。
「そうですねぇ、無愛想なのはもちろん、誰かと会話なんてことはまったくしませんでした。まず、他人と話すということを知りませんでしたね。人に会えば、生きる為に無差別で殺していました。」
「・・・・。」
「傍にいる誰か、なんていなくて。毎日、毎日、人を殺してはその人から物を奪い、刀を奪い、そうやって生きていました。」
「だが、10年位前は傍にいた人がいたと言っていただろう。」
「ええ。そういう生活をしていたら、出会ったんです。
その人に教わりました。会話すること、触れ合うこと、笑いあうこと、一緒に生きることの楽しさを。その頃から少しずつ変わっていって、今の僕がいます。」
夜神は言い終わると、悲しそうに笑った。
だが、それはほんの一瞬で、すぐにいつもの笑顔に戻ると、以上ですと言って、話を終わらせた。
それでも、土方の不信感は消えなかった。
ほとんど勘ではあるが、夜神にはまだ何か秘密があるような、そんな気がしたのだ。
しかし、追求することはせず、もうしばらく様子を見ることにした。
夜になり、人々が眠りにつくと、新撰組は城の警護と、将軍の身辺警護などを任された。
姫の身辺警護もすることになり、そこには夜神と原田、斉藤がつくこととなった。
「・・・・・。」
静寂。
それが姫の部屋を支配する。
夜神達は神経を尖らせているため、話す余裕などなく、姫も昼間のことを怒っているのか、夜神に話しかけようとはしない。
「答えろ。お前は一体どんな奴だったんだ。」
「いえ、ですから、彼女が言った通りの奴ですよ。」
「俺は詳しく教えろと言っているんだ。分っているくせに分らないような発言をするな。」
土方の言葉に、夜神はまた困ったように笑った。
そんなに聞かれるのが嫌なのかと思ってしまうほど、夜神は困った顔をしている。
それでも、土方は問い詰めた。
「教えろ。」
「どうしてもですか?」
「ああ。」
「それが例え、最低な内容だったとしても?」
「ああ。」
夜神はやっと勘弁したように肩をすくめると話し出した。
「そうですねぇ、無愛想なのはもちろん、誰かと会話なんてことはまったくしませんでした。まず、他人と話すということを知りませんでしたね。人に会えば、生きる為に無差別で殺していました。」
「・・・・。」
「傍にいる誰か、なんていなくて。毎日、毎日、人を殺してはその人から物を奪い、刀を奪い、そうやって生きていました。」
「だが、10年位前は傍にいた人がいたと言っていただろう。」
「ええ。そういう生活をしていたら、出会ったんです。
その人に教わりました。会話すること、触れ合うこと、笑いあうこと、一緒に生きることの楽しさを。その頃から少しずつ変わっていって、今の僕がいます。」
夜神は言い終わると、悲しそうに笑った。
だが、それはほんの一瞬で、すぐにいつもの笑顔に戻ると、以上ですと言って、話を終わらせた。
それでも、土方の不信感は消えなかった。
ほとんど勘ではあるが、夜神にはまだ何か秘密があるような、そんな気がしたのだ。
しかし、追求することはせず、もうしばらく様子を見ることにした。
夜になり、人々が眠りにつくと、新撰組は城の警護と、将軍の身辺警護などを任された。
姫の身辺警護もすることになり、そこには夜神と原田、斉藤がつくこととなった。
「・・・・・。」
静寂。
それが姫の部屋を支配する。
夜神達は神経を尖らせているため、話す余裕などなく、姫も昼間のことを怒っているのか、夜神に話しかけようとはしない。


