夜神が土方に連れられて、大広間へ行くと大勢の人がいた。
しかし、幹部の人間が見えない。

「あれ、沖田さんたちがいない。」
「お前を探しに行った後、見つかったことを知らないからだろ。」
「放っておいて良いんですか!?」

驚く夜神を無視し、土方は座った。
冷静沈着な土方に対し、焦りまくる夜神。

「探しに行ってきます!」
「黙って座っとけ。そのうち帰ってくる。」

土方にそう言われ、納得できないまま夜神は座った。
少し時間がたつと、土方の言葉通り何人かが戻ってきた。
もうしばらくすると、全員が大広間へと集まっていた。

「全員そろったか。なら、始めよう!」

近藤の掛け声により、夜神の歓迎会が始まった。
酒を飲み陽気になる者、酒を飲まず御飯だけを食べる者、酔っ払って誰かに絡みに行く者など、多くの人が騒いだ。

「にぎやかですね。」
「五月蝿すぎるけどな。」
「はは・・・・。」

土方の言葉に苦笑いしながら、夜神は「でも」と言葉を続けた。

「にぎやかなのは、いいことですよ。一人よりも寂しくないし、明るい。」
「お前はずっと一人だったのか?」
「はい。ずっと昔は一人だけ、隣にいてくれてた人がいたんですが10年くらい前からは一人で生きてきました。」

眉を下げ、悲しそうに語る夜神を見る限り、何かあったのだろうと土方は思った。
だからといって、土方は聞き出そうとしなかった。