「痛い!痛いですよ沖田さん!!」
「我慢してください!」
「できません!」

たった今、私は沖田さんに治療されている。
最初は「自分でする」と断ったのだが、どうしてもと言うので仕方なく了承した。
そして、あまりの痛みに悲鳴を上げる私に沖田さんは無理なことを言ってくる。
我慢なんかできるわけがない。
早く終わってほしい。こんな地獄のような時間なんて早く終わってしまえ。

「はい、手当ては終わりましたよ。」
「!!」
「何でそんな、嬉しそうなんです・・・?」

そんなの、痛みから解放されたからに決まっている。
もう後は包帯を巻くだけで終わるなんて、うれしすぎる。
そう思いながら、私が包帯を巻いていると沖田さんが口を開いた。

「本当に強いんですね。」
「まさか、まだ沖田さんや土方さんに勝ったのがたまたまだったとでも?」
「少し、そう思っていました。」

まあ、そうだろうとは思っていた。
だって、自分よりも年下の女に負けるなんて、たまたまとしか思えない。
しょうがないことだ。

「確かに、普通ではありませんね。」
「そいうつもりでは・・・。」
「いいんですよ、別に。私はそれを理解していますし、だからといって気にしているわけでもありませんから。」

嘘ではない。
私は、普通じゃないと理解したうえでここにいる。
しかし、それが本能でなのか、気分でなのかは私にもよくわからないことであった。