私はまた、斉藤さんとの距離を一気につめた。

「こりないな。それは無駄な行動だというのがわからないのか。」
「本当に無駄な行動でしょうか。」
「何・・・?」

私はもう一本の、刃こぼれした刀を引き抜くと地面に突き刺した。
そして、それを軸にして回転し、斉藤さんの腹を蹴りつける。

「くっ!」

体制の崩れた斉藤さんをもう一度蹴り、すぐに反応できないようにした後、斉藤さんの首に刀の刃をつけた。

場が静まり返る。

「決まったな。」

静寂を切り裂いたのは土方さんだった。
他にも、今の一連の戦闘を見ていた人は、やっと終わったというような顔をしている。

「はい。
勝手な行動をとり、申し訳ございませんでした、副長。」

斉藤さんはそう言うと、どこかに行ってしまった。

「夜神。」
「何ですか、土方さん。」
「わき腹の傷の手当をしたほうがいい。
結構深く斬られていたみたいだからな。」

ああ、そういえばわき腹を斬られたんだっけ。
思い出したら、急に痛くなってきた。

「夜神さん、早く手当てをしたほうがいいですよ。痛むんでしょう?」
「沖田さん・・・・。すみません、医務室まで案内してもらえますか。」
「はい、わかりました。
肩を貸しますよ。」
「助かります。」

最後に、別れの言葉を告げてから、私は医務室へと足を運んだ。