昔、それをある人に言ったらこう言われた気がする。

『お前はそれで、生き残れるのか。』

きっとその人は私の心配をしていてくれたのだろう。
しかし、私にそれは不要というもので、命に係わるのであれば気分など関係なく私は刀を振るう。
生き残るためならば、何でもしよう。
彼らを騙してでも、人の命を奪ってでも、私は生き延びよう。
それが、彼との約束なのだから・・・。

「お前は、それで通用すると思っているのか?」
「どういう意味ですか。」
「お前はそんな態度で、この戦場を生き残れると思っているのかと聞いている。」
「はい。」

斉藤さんからの問いに、当たり前のように私は答えた。
それが、引き金となったのだろうか、斉藤さんは鋭い目つきで私を睨んできた。
どうやら、怒らせてしまったらしい。

「甘いな。そんな心意気ではお前はすぐに死ぬ。」
「・・・・・。」

斉藤さんがこう言うのは女だからと、私を馬鹿にしているからかもしれない。
ならば、少し、驚かせてみよう。

「馬鹿にしないでください。」
「なんだと?」
「馬鹿にしないでくださいといったんです。
確かに、若いし女ではありますが、それでもあなたよりは死線をくぐり抜けて来たと私は思います。」

斉藤さんの眉間に、皴が寄るのがわかった。