皆が他愛もない話をしていたとき、騒がしい足音が聞こえた。

「この騒がしさは・・・」
「間違いない、あの人だ。」

原田と永倉が顔を合わせ苦笑するが、夜神には何の事だかまったくわからない。

「何の事ですか?」
「・・・・近藤さんが起きたのだ。」
「あ、ありがとうございます。斉藤さんでしたよね。」
「ああ・・・。」

夜神はここに来てから、斉藤とは一言も言葉を交わさなかったのだが、無口な人ということが今の会話でわかった。
そんなことを思っていると、勢いよく部屋の扉が開いた。

「しまった、今日も寝過ごしてしまった!!
すまない、皆・・・・・って、この子は誰だ?」
「おはようございまーす、近藤さん。いつも通り寝過ごしたんっすね。」
「初めまして、私は夜神 神夜といいます。昨日からここの隊士の一人となりましたので、よろしくお願いします。」

近藤は藤堂と夜神の言葉を聞くと、しばらくその場で立ち尽くしていた。
そして、急に一人で何かを呟き始めた。

「確か、昨日は一回も外に出ていなくて・・・・・その間に・・・それで・・・・。」

どうやら、頭の中を整理しているらしい。
やがて、整理し終わったのか笑顔で夜神の肩を掴んで言った。

「そうか。ならば、これからよろしく頼むぞ、夜神君!」

爽やかな近藤の笑顔に夜神も笑顔で返した。