身体を引き剥がそうとするも、強く抱きついていて離れない。
かといって相手は女、無理矢理引き剥がすのは気が引けた。

「しばらく、このままで居るのを許してください。
こうしていると、落ち着くんです。今まで、人の温もりなんてありませんでしたから。」

そう言うと、更に強く抱きついた夜神の頭を、土方は優しく撫でた。

「土方さん?」
「こうしている方が、落ち着くだろう。
お前を信じるにはまだ時間がかかる。だが、少しずつお前のことを教えてくれ。
そのとき、信じれたらいい。」

そのまま、土方は夜神が落ち着くのを待ち続けた。



「土方さん、昨夜はありがとうございました。」
「いや、いい。やはり誤れるよりも感謝の方が気持ちがいいな。」

朝、幹部達が食事を取っている中、夜神は思い出したように言った。
それに平然と答えた土方に、幹部達が反応する。

「昨夜って何のことですか、土方さん!」
「深い意味はねえよ。ただ、昨夜うなされていたのを起こしただけだ。」

藤堂に問い詰められ、土方は少し渋い顔になりつつも答えた。

「へえ、そうなんですか。」
「・・・・・・?
沖田さん、どうかしたんですか?」
「何でもありませんよ。けれど夜神さん、何か相談したいことがあれば何でも言ってくださいね。」
「えっと、わかりました」

なぜ、そんな事を言われるのかわからない夜神だったが、沖田が満足そうだったので気にしないこととした。