「そして、私の素性ですが・・・何を聞きたいんでしょうか。」
「まずは性別、姓と名を教えてくれ。」
「えーと、性別は女です。姓と名は夜神 神夜と申します。」
しばらく、沈黙が続いた。
やがて、驚きの声が上がる。
「おおお女だったのか!?」
「ちょっ、藤堂さん、揺らさないでください。」
「あ、悪い・・・。」
藤堂から解放された夜神は、咳き込みながらも言った。
「女ですよ。ちなみに言うと17歳です。」
「・・・・・。」
全員が、言葉を失った。
驚きのあまり言葉が出てこなかったのだ。
あれほどの強さならば、もう少し年をとっているかと思えばまだ10代。更に、女だという。
「すごいなお前、新撰組に欲しいくらいだ!」
「何言ってるんですか、永倉さん。無理に決まってます。ここは女中禁制ですよ。」
「あ、そうか。」
沖田に意見を速攻で否定された永倉は、しばし考え込んだ。
そして、急に思いついたように大声で言った。
「なら、男の振りをすればいいんだよ。無理な話でもないだろう?」
「それも無理だ。」
「何でだよ、土方さん!」
「いいか、こんなどこの誰かもわからない奴を入れられるわけがねえ。
長州の間者かもしれないんだぞ。信用も出来ないのに入れて、組の中を乱されたりしたらたまらない。」
土方の言葉に、永倉は何も言い返すことが出来なかった。


