「いや、それは困ります。」
「なっ!?」

土方は目を大きく見開き自分の目の前にいるその人物を見た。
勝負を申し込んでおいて、殺されるのは困ると言う。
それは土方にとって、理解できないことだった。
しかし、その人物は土方の表情の理由がわからないとでも言うように首を傾げている。

「あ、私がしたいのは命の奪い合いではなく、普通の試合なんです。それから、私の名前は夜神と申します。」

夜神は土方の心情を察したのかあわてて補足説明をした。
土方はその説明でやっと理解することができた。

「つまり、俺と試合をしたいと。」
「はい。」
「なら最初から試合といってくれ。まぎらわしい・・・。」

土方はわざとらしく大きなため息をつく。
それに夜神が苦笑いしたのは言うまでもない。
そして、思い出したようにこう言った。

「あ、でも使うのは真剣です。」