新撰組に女隊士がいたそうです

勇敢な少年が、女性の手をつかむ男の手首をつかんだ。
女性は安心したように息をついたが、男は違う。
ガキに邪魔されたのが気にくわなかったのか、少しイラついていた。

「なんだ、子供が邪魔をするな。」
「邪魔をしているんじゃない、女性を助けようとしているんだ。」

はっきりとした口調で言う少年。
年に似合わずしっかり者だな、と夜神は思う。
周りの人はチラチラと視線を向けているだけで、やはり何もしない。

ほんの数秒、男と少年は睨み合っていた。
やがて、痺れを切らしたように男が刀を抜き、少年に向かって振り下ろす。

周りからは大きな悲鳴が上がる。
誰もが少年は死んだと思った。
少年自身もそう思ったのだが、実際に死ぬことは無かった。

それもそのはず。少年が殺される寸前、夜神が刀で少年を守ったのだ。

「道端で人を殺さないでくださいよ。
今日、これからの気分が最悪になっちゃうじゃないですか。」

夜神は男と刀を交えたまま笑顔でそう言った。
カチカチと、刀と刀の競り合う音が静かになった町に響く。