時は幕末。
京には新撰組という集団がいた。
その新撰組副長、土方歳三は夜道を散歩していた。
すべてを飲み込む深い闇が、土方を包んでいる。
時おり吹き抜ける風を心地よく感じながら、ゆったりと歩いている時だった。

「新撰組副長、土方歳三。あなたに勝負を申し込みます。」

突如土方の前に現れたのは髪が腰辺りまである人物。
性別は暗かった為わからなかった。

土方はまたかという思いでため息をつく。
勝負を申し込まれるのは今日に始まったことではない。前からもあったことだ。
なので、少しだるい気持ちで言葉を紡いだ。

「いいぜ。但し、命の保障はしない。」

そう言うとなぜか考え込む人。

今の言葉に何か疑問に思ったことがあったのだろうか。

土方は自分の言葉を思い返すも、そんなところはひとつもない。

すると、その人物は思いもよらぬことを言ってきた。