白い靴下ごしでも分かるほどに腫れあがった足首に、上履きがきつく食い込んでいる。
「とにかく保健室っ!」
「いやっ、行かないっ!」
慌てて彼女を抱えあげようとしたら、両手で胸をつきかえされた。
「行かないって・・・
そんなに腫れてて、骨いってたらどーすんだよ?」
「保健室に行ってたら、演奏に間に合わなくなっちゃう・・・」
「けどっ・・・」
「やだ、体育館に行くっ!
もし折れてるとしても、今行ったから治るってわけじゃないし、演奏終わってから行ったって大差ないもんっ!」
俺の目をじっと見つめる彼女の瞳には、痛みよりも頑なな色が濃くって、あぁ可愛い顔して頑固なんだなって、妙に納得した。
