「本当にごめん、悪かったよ。
後でいくらでも気の済むようにしていいから、ひとまず体育館急ご?」

「あっ、楽器は無事っ?」

彼女は急に慌てた顔になって、俺の左手に握られたままのペットに目をむける。

「あー・・・ラッパの端っこへこんでるぅ・・・
ごめんね、私のせいで・・・」

「いや、悪いの俺だから気にしないでよ。
それより、そっちは怪我とかない?」

「うん、私はぜんぜん大丈・・・っ!」

「どしたっ?」

立ち上がりかけた彼女は、急にがくっと崩れ落ちて、右の足首を押さえてうずくまった。

「うわっ、めちゃくちゃ腫れてんじゃん!」