「棒アイスの棒も、おんなじ味だよなぁ。」

「あたりって書いてある棒?」

「そう、あれってずっとくわえてると、うっすら木の味がするじゃん。」

「うーん、するかなぁ・・・」

上唇だけをほんの少し尖らせて、眉根に皺を寄せて考え込む表情が、子供っぽくて嬉しくなった。

中学に入ってから急に色気づいた女子達は、何をするにもいちいち周りの目を気にして行動する。

でも彼女は違って、生き生きとした表情で、それがとにかく可愛い。

まるで小学生みたいによく日に焼けた頬も、くるくると表情豊かな瞳も、同じクラスの女子には一人もいなかった。