恋人もいないのだし、そんな役立たずな機関はいらないでしょう、もらってあげるわと、やんちゃな神様が微笑しながら取って行ってしまったのか。
それとも、どうせどうせといじけながら自ら消滅してしまったのか。
たしかに。
無用の機能であったことは、認めざるを得ない。
その天命をまっとうする予定など皆無であった。それならば、まあ。
まあ仕方がないか、という思いがボクの胸をかすめた。
じたばたしても始まらず、困るようなことも当面ない。
ボクはまるで涅槃に達したがごとく、潔い諦めの境地に踏み入って、朱色の座布団に座りなおした。
なにか、とても重大なことを忘れているような胸のうずきがあったが、正体はつかめなかった――。
それとも、どうせどうせといじけながら自ら消滅してしまったのか。
たしかに。
無用の機能であったことは、認めざるを得ない。
その天命をまっとうする予定など皆無であった。それならば、まあ。
まあ仕方がないか、という思いがボクの胸をかすめた。
じたばたしても始まらず、困るようなことも当面ない。
ボクはまるで涅槃に達したがごとく、潔い諦めの境地に踏み入って、朱色の座布団に座りなおした。
なにか、とても重大なことを忘れているような胸のうずきがあったが、正体はつかめなかった――。


