丹朱の橋、葉桜のころ

対岸の通りを歩いてきた男女が、重なるボクらを見つけて


「あ、やだあ」


「見たらかわいそうだろう」


「でも、間抜けでかわいく見える」


「ネコだって見られたら恥ずかしいよ、きっと」


と好き勝手に言った。

店じまいをしていた店員もつられてこちらを向く。