「えっ本当に俺、教室入ってよかったの？」

「えっ？いいよ別に。何で？」

「何でって…いや…その…目が」

目？
…あっー！！！！

アタシ泣いてたんだ！
恥ずかしい…

「こっこれは…あっ！そうそう！あくびっ！あくびだから気にしないで！」

「おっおう」

「うん。それだけだからね」

「…あくびならいいけどさ」

松本くんは自分の席からアタシの席の前に来た。

「その…さ。なんか悩んでるなら言ってくれてもいいからな」

「あ…うん。ありがとう」

「おう」

実は松本くんとは小学生のころから同じ学校でよく同じクラスになっていた。
松本くんは小学生のころから「太一くーん！」と大人気だった。

まぁイケメンだからね。

「そうだよね。アタシ達小学生の頃からの付き合いだもんね」

「そーだよ。あの頃からよく話してたじゃん」

「うん。話してた」

「よく席も隣同士になってたしな」

「そーだね」

「懐かしいな」

そう言って松本くんはニッコリと笑顔を見せた。