「ごめん!本当にごめん!」

「…」

「あっ明日でもいい?」

「…うん」

「あ…ありがとう!明日は絶対に大丈夫だから!」

「うん」

「ごめんね、じゃあ!気をつけてね!」

「うん。バイバイ」

単純なアタシがバカだった。
謝ってくれたことに調子ノったアタシがバカだった。
すぐに健を信じたアタシがバカだった。

もういや。

アタシは帰ろうとするみんなとは逆方向の教室に向かって歩き始めた。

ガラッ

アタシは教室のドアを開け、自分の席に座った。

さすがに教室には誰も残っていなかった。

「ハァ」

アタシは机に顔をあて、うつ伏せになった。

またアタシ、放っておかれた。
今日は誰だったんだろう。
真依さん?さえさん?恭子さん?瑞希さん?
誰よ。誰の所に行ったのよ。

てか、アタシって優先順位一番最後?!
…最後か。

これなら、アタシも他校がよかったよ。

「…うー」

なんだよ。

「…うっ…う…」

浮気されて酷いだとか、5股かけられて悲しいだとかそんなんじゃなくて、今のアタシの気持ちにはむなしい気持ちでいっぱいだ。

それに、アタシは健の1番になれたい。

しかも健の気持ちも1番理解できてない。