ルキアが完全に夢の世界へ旅立った頃。 彼女がリンデン氏から借りてきた本がひとりでに開いた。 カーテンも窓も締め切っているから、風のせいではない。 エアコンはついているが、本を開かせる程の風力はないだろう。 と、奇妙な音が部屋に響く。 しかし、彼女はその音に何の反応も示さず、ただ穏やかに眠っていた。