「――」

 私は床に座りこんだまま、窓からさす光を見つめていた。
 涙はもう枯れはてて、静寂だけが心の中にあった。

「とおる――」

 思わず洩れた声に、答えはない。

「――」

 私はゆっくり立ち上がった。
 そして静かに部屋を出た。