私はやっと顔を上げ、扉の向こうの彼女と彼を見た。 二人はとても綺麗だった。 二人だから、綺麗だった。 「ありがとう――」 私はそれだけを言った。 扉を閉めずに彼らは私の視界から消えた。 彼らがいなくなった扉の向こうから、やがて穏やかな風が吹いた。