席は叶斗くんと剛くんの間に綾乃

剛くんと渉くんの間にあたしだった。



最初は打ち解けれるか不安だったけど、叶斗くんや綾乃のばかやってる所とか見れて終始笑顔でいれた。



渉くんも、口数は少ないけど笑顔だったから安心した。


「ほら、楓も歌いなよっ
楓歌うまいじゃん!」



あたしはみんなの歌聴いてるだけで楽しかったから歌うつもりなんてなかったんだけどせっかく来たから綾乃と一緒に、某人気アイドルグループの曲などを歌った。


そしたらなんかテンション上がってきて、最終的にはみんなで歌えるまでになった。


「楓ちゃん歌もうまいんだね~」


「もう、叶斗ったら楓の事ばっかり!」



「そんな拗ねんなってぇ
ごめんごめん(笑)」


そんな会話を聞いて、なんとなくこの恋は安心だなって思った。


カラオケばっかりじゃつまんないからって、とりあえずお昼食べることにした。



綾乃と叶斗くんと剛くんの三人が前を歩き、あたしと渉くんは二人で後ろに着いていった。


「水城さんは合コンとか初めて?」


「ぇ、あ、うん
あんまり男の子と喋れなくて;;
あ、あと楓でいいよ?」



突然渉くんがそんな事を聞いてきて、ちょっと焦ったけどあたしなりにうまく受け答えできたとおもう。


「わかった」



こいつつまんねぇとか思われたらちょっといやだから少し会話できるように心がけた。


「しょ、渉くんは?
合コンとかよく行くの?


「んー
俺もあんまり女の子好きじゃないんだけど、ほら、あの笑顔で言われたら断れないっしょ(笑)」



そう言って、叶斗くんを指さした。


「んふふ」


思わず笑ってしまった私に渉くんは"なんだよぉ"と照れくさそうに笑った。



あ、あたし男の子と喋れてる。


男の子と普通に会話できたのはこの時が初めてだった。