ヘタレ王子とヤンキー姫

勝負は一進一退。

殴り殴られで、お互いに一歩も譲らなかった。

それでなくても樺音はすでに40人以上の人間と戦っていて、体力はゼロに近い。

倒れるのも時間の問題だった。

豊の方も息が上がっていた。

豊が倒れた隙を狙って、樺音はお腹に蹴りをいれた。

豊は咳き込むと、動かなくなった。

樺音は、立ち上がっている男たちの方に向き直った。

そして、目の前にたつと、頭を下げて謝った。

「すまねぇ…理由はなんであれお前らにして来たことは、ただの八つ当たりだ。」

誰もなにも言わなかった。

「制裁は素直にうける。」

樺音は顔をあげた瞬間にふらついた。

それを一人が支える。

「ボロボロの癖に、カッコつけてんじゃねぇよ。俺たちは女は殴らねぇ。悪いことはもうしないって決めたんだ。闇の女王に殺されたくないからな。」

全員が笑っていた。

「女王…いやっ、桃山樺音…また喧嘩しようぜ。お前との喧嘩楽しかったし。」

「望むところだ。いつでもこいよ。待ってるからさ。」

「桃山の友達もすまなかった。やつの脅しを言い訳にこんなきたねぇことに手を貸しちまった。」

樺音が殴っていたのは、春樹や恵美を殴っていた男だけだった。