ヘタレ王子とヤンキー姫

僕も颯太と同じように、大学を辞めて、今は普通に商社で働いていた。

結局出産間近になっても、名前は決まらなかった。

まぁ結局性別は聞かなかったし。

生まれてからでも遅くはないか。

樺音のお腹もずいぶん大きくなった。

ここに、僕の子供がいるんだ。

いまだに実感がわかない。

電話がなったのは、もう少しで仕事が終わる頃。

「前島〜電話だぞ。」

「お電話変わりました。」

「春くん。樺音が陣痛を起こして、病院へ行ったの。まだ産まれないだろうから、仕事が終わったらすぐ病院へ来なさい。」

子供が生まれるときが近い。

残りの時間はそわそわして、仕事に集中できなかった。

仕事を終えて、病院へ急ぐ。

「樺音大丈夫?」

「病院ついてからすぐに、陣痛が収まったんだ。もしかしたら待ってたのかもな。春樹のことを。」

そっか…。

待っててくれたんだ。

「ファザコンは勘弁だぜ。」

それはそれでありかも♪

それから樺音は何度か陣痛を起こして、次な日の昼過ぎに、分娩室へ入っていった。