ヘタレ王子とヤンキー姫

said HARUKI

落ち着けなんて無理だよ。

どうしよ…。

どんどん近づいてくる。

嫌だ。

こんな能力いらないのに。

「私の子供を知りませんか」

…知らないよ。

「私の子供を知りませんか?」
その人はずっと同じことを繰り返し言い続ける。

「しっ…知りません!」

やっと口から出たのはその一言だけだった。

冷静になんてなれるわけない。

幽霊なんて大嫌いだ。

その人は、寂しそうな顔をして、出ていこうとした。

ん?子供?

「ちょっと待って。」

もし昨日僕が見た子がそうなら、多分あの子は、今夜も来るはずだ。

「もしかしたら、今夜ここに来るかもしれない。」

僕は女性に夜中、もう一度来るように伝えた。

彼女は嬉しそうに、礼を言うと消えてしまった。