オフィスに鍵をかけて事務室に向かう。




明日もきっとこんな調子だろうな。



よし、切り替えよう。




そんなことを思いながら事務室に鍵を渡して、車を停めてある駐車場へ向かっているときに俺は見つけた。




咲香だ。



咲香は携帯をいじりながら反対車線の歩道を歩いている。




どうする俺。



話しかければいいじゃないか。


でもあのとき俺は咲香を傷付けてしまったんだぞ。





心の中の俺が争っている。





よし。


俺は咲香に話し掛けるために無我夢中で走った。