「それでね、「咲香っ!!」 咲香は空を見上げていた顔を俺の方へ向ける。 もちろん、表情は笑っても、怒っても、泣いてもない。 「なぁに?」 「咲香は汚くない。 だから、自分をこれ以上傷付けるな。」 咲香は表情を変えずに俺を見つめ続ける。 「手首を切っても意味がない。 わかってるだろう? 咲香は生きているんだ。 知らないじじぃに抱かれてどうするんだ? そんなことをして何になる?」