「あぁ、とにかく今度会って話そ!さゆん家ってどこ?」


「えっ?」


私は突拍子もない話に、間の抜けた声が出てしまった。


「会う必要なんか……」


会う気なんてない。


ただこれで終わりにしようと思っただけなのに。


「とにかく会うの!俺が行くから家教えて。」


何でこんなことになるの。


「ほら、早く教えて」


「最近できた大きなホームセンターのそばの茶色い屋根の家だけど……」


私、何してるんだろう……。


あまりに追い立てられて、気付いたら教えてた。


「えっ、俺ん家近いよ!じゃあ、春休み入ったら会おう」


そして、彼に捲くしたてられ、一方的に切られた電話。


こんなの私らしくない……。