バッテリーをつみ、スティック型のコントローラ一つで動く電動車椅子に乗っている私は人の間を縫うように走り、人が疎らなエレベーター前へと辿り着いた。


エレベーター手前の右手には広い窓がある。


ここは最上階の四階で邪魔するものなく空がよく見える。


十一月の真っ白な厚い雲に覆われた空はなんだか寒々しくて、私は思わず肩を窄めた。


近くの大きな木々は強い風によって左右に揺れ、更に寒さを感じさせる。


そういえば今日は山が見えない……。


天気のいい日は少し先に青っぽく見える山々が今日はすっかり姿を消していた。


まるで私の未来のようだ。