「よろしくね、さゆ」 唐突に舞い込んだ聞き覚えのある声に、思考が停止させられる。 ――綺麗な爽やかな声。 こんな偶然有り得るだろうか……。 言葉も出てこない。 あの日のように、私の前にちょこんとしゃがみこむ少年。 上向き加減の人懐っこい笑顔に、綺麗な黒い瞳。 何でなの……。 目の前にあるやわらかな笑顔とは正反対に、自分の表情が凍り付いていくのがわかる。 なのに、あの人は悪戯っ子のような笑みを浮かべて嬉しそうにこう言ったのだ。 「さゆのグループのやつに頼んで、かわってもらったんだぁ」