こんなのは私たちには、よくあること。


それでも気にしてしまうのは、きっと私が弱いから。


知能の方には何の障害もないのに、この身体のせいで普通校も諦めた。


この身体のせいで、私たちへの差別は消えることはない――。


ずっと昔に悟ったことなのに、そう言われた瞬間私は怒りを隠せなくなる。


心は本当に不便なものだ――。


「さゆりん、大丈夫?」


すると、普段のキリッとした目元を崩し、心配気に覗き込む顔があった。


少し色素の薄いショートヘアーがゆらりと揺れて、私と同じように車椅子に乗る彼女は私の不安定な瞳の奥を覗き込む。