今回係にならなくてすんだ私は呑気なものだけど、今日は憂鬱。


静かな電動車椅子の音を聞きながら、廊下の窓から空を見上げる。


気持ちとは裏腹に青く晴れ渡った空に、思わずため息が零れた。


また来るんだよね、あの人……。



そんなことを思っていたら、交流会の行われる多目的スペースに着いてしまった。


大分集まりだした会場。


右の隅の方には川商生がかたまっている。


揃いの制服、響く楽しそうな笑い声。


そして男女入り交じる輪の真ん中で、自然とみんなを惹き付けているのは、紛れもなくあの人だった――。