もちろんお母さんの気持ちは痛いほどわかるよ。


だって、お母さんは私が生まれてから、私のために時間を注いできた。


私なんかのために、お母さんは自分の人生を費やしてきたんだ……。


私の障害“脊髄性筋萎縮症”に治療法はない。


今の医学では治ることはないの。


ただ側湾に関しては、進行をおさえることはできたんだ。


でも、私はしなかった、したくなかった。


その方法は、起きずに横になっていることだから。


……これだけは我が儘言わせてほしかった、たとえ側湾が進んでも。


寝てることなんてできるわけないよ。


気持ちを殺して、今を捨てることなんて……。