「大丈夫だよ、このくらい」 私は一言返して笑ってのけた。 そして、働かせっぱなしだったシャープペンを暫し解放すると、ピンクのドット柄のマグに手を掛けた。 冷ましながらゆっくり口に含むと、アールグレイの香りがいっぱいに広がる。 なんだか落ち着く――。 お母さんの淹れた紅茶はやっぱり美味しくて特別だ。 一番ほっとできる――。 「姿勢も悪くなるし、もう今日はやめなさいよ」 だけど、お母さんが心配性なのは困ったものだ。 お母さんの言ってる意味はわかるけど、このことに私は素直に返事はできない。