頭の中には色々な想いが駆け巡って、私はゆっくりと後を追った。
……確かに違うとは思う、あの人は……。
しゃがんで、目線を合わせるなんてこと、あんなに当たり前のようにしてくれた人はそうはいない。
あんなに笑顔で話し掛けられたこともなかった。
でも、だからって、それだけの話……。
すると、茜ちゃんは急に思いついたように、私の方へくるりと車椅子を方向転換した。
「でも、何でそもそもそういうことになったわけ?」
不思議そうに首を傾げる茜ちゃん。
「それが、私のことを元々知ってるみたい。さゆって呼ぶし、覚えてない?って何回もきかれて」