恋なんて、私には無理だもん……。


本当は、普通の女の子みたいに恋してみたい。


恋したいよ――。


だけど、誰が好き好んでこんな身体の子と付き合う……?


ほら、恋なんてできるわけないんだよ……。


いつもこのことを考えると胸の奥が苦しくてたまらない。


でも、俯いたら何かに負けそうで、私はただこの小さな箱の天井を見据える。


そう、そうしていることが私には精一杯だった――。


でも、そんな中穏やかな声が流れ込む。


「でも私、その人はなんか違うと思うけどな――」


茜ちゃんはそうぽつりと言って、先にエレベーターを降りていった。