それに彼の言葉は、こんな私に勇気をくれる。


だから、私は強くなれるんだ。


するとその時、彼の腕が私をそっと抱き寄せた。


突然のことに心臓が大きく跳ねたけれど、私はそっと瞳を閉じる。


心がふわりと浮くように、すぐに安らぎに変わっていくのだ。


肩を包むあたたかい大きな手の平も、背中に回る逞しい腕も私を大事に包んでくれる。


彼と体を寄せ合う時間が愛おしい。


同じ景色を見て、同じ風を感じて、同じ時間にいるこの瞬間がかけがえないものなんだ。


彼の体温が伝わるたびに、実感している。