何も考えずに車椅子をただ走らせた。 辿り着いたのは、誰一人として人影すらない場所。 音がなさすぎて、走行音ばかりが反響する。 壁伝いには数十人の靴箱が並べられ、三つ並べられた大きな木製のベンチには誰も腰掛けているものはいない。 登下校時の賑わいが嘘のようだ。 この時間なら、学校内で一番人がいない場所だろう。 そして私は誘われるように玄関口から外を眺めた。 あのガラスの扉をたった一枚隔てた向こうには、一体何があるだろう。 独りぼっちの玄関で、私はまた灰色の空に思いを馳せた。