そして、私が一番尊敬しているのは、先輩のその強い心だ。


この世にはまだまだ、障害があるというだけで差別する人など山のようにいる。


幼稚に話し掛けられ、振り返ってまでじろじろ見られることなんて珍しいことではない。


だけど私はどんなに嫌でも、そういう人間に訴えることはできなかった。


でも、先輩は私とは違った――。


“心まで病気じゃない”


こう言い放った先輩を一生忘れない。


その一言に、差別する人間に言いたい全てがつまってた。


救われた気がしたんだ、その言葉に。


自分の存在まで肯定されたみたいだったから。