彼女の言った言葉が、あの日から鼓膜にこびり付いたように離れないのだ。


彼女の言葉は寸分違わず的を射ている。


私は彼に限ったことではなく、人の良心を利用して生きているんだ。


私は太陽を背に影のさした家族写真を見た。


よく晴れた空の下、私の車椅子に手を添えて並んでいるお母さん。


でも、西日によって伸びた影がお母さんの顔を隠している。


どんな表情をしていたのかも思い出せない。


きっと私がお母さんの笑顔を奪ったんだ。


笑顔も自由な人生も……。


そして私は、お母さんにありもしない罪まで押しつけようとした。