私は笑顔で言った。


心配そうなお母さんを言葉で振り切って、こうして彼に会えているのだ。


だから今は、本当に幸せ。


恋は盲目というけれど、私もそんな馬鹿げた言葉がわかるようになってしまった気がする。


こんな不自由な身体のくせに、彼といる時だけは忘れそうになる。


忘れてはいけないのに、普通の女の子になれたような気分になってしまうんだ。


自分でも図々しいにも程があるとわかってる。


だけど、初めて知った。


頭よりも、心が強く動きたがること。


心はひどく我儘なことを。


彼といると私はすごく我儘だ――。